速報
SHRM2019ラスベガス大会から、グローバル人材マネジメントの潮流を読み解く

会員が30万人、年次総会18,000名、SHRM HRプロ認定者が11.5万人!
  
      当センターでは、過去10年間、SHRMコンフェレンスに参加し、SHRMで議論されているグローバ  ル人財マネジメントの最新動向をお伝えしてきました。
   過去の緊急報告は、本サイトでもご覧になれますが、詳細は、戦略的人材マネジメント研究会に   て、毎年、事前勉強会、視察報告会、SHRM elearning 視聴報告会を実施しており、その報告は、  こちらよりダウンロードできます。また、メルマガにても、随時、追加情報を発信しています。  
   更に、SHRM2019コンファレンス 視察報告会を、JSHRM月例会で実施します。   
  尚、更に、詳細の情報は、一般公開コースに参加すれば、より詳細な情報をテキストを入手でき、
  コースの中で、関連するロールプレイ演習も体験できます。

世界最大の人事総務関係者の祭典、SHRM2019コンファレンス
 
  今年のテーマは、Creating Better Workplacesであり、Decent workを実現するため、どうすべきかになります。
 働き方改革と同じ中身なりそうですが、日本でのレベルとは相当違うものであり、より基本に忠実といえます。
 例えば、2019年の基調講演者の一人であるヒューストン大学のBrene brown教授の持論は、セオドア・ルーズベルト大統領の名言を引用し、「ただ批判するだけの人に価値はない。ことを成し遂げるために、もがき苦しみ、情熱をもやし、力を尽くし、大義のため、身を粉にして、励む人ほど偉大なのだ。少なくとも果敢な挑戦をしたかどうかです。」と言っています。
 また、「仕事がうまくいかない時、人の責任にする人がいます。そういう人は、人間関係が悪くなり、組織文化をそこねることになります。勇気を持って、自分の弱さ、欠点を認め、謝罪し、改善行動をすることで、ようやく信頼がえられるものです。」と主張しています。
 これを考えると、持続可能な人や企業とは、これを愚直に実行している人や企業になります。

過去最大の規模になったSHRM2019ラスベガス大会!
 世界最大(現在約30万人)のHRプロのコミュニティー、人材マネジメント協会(SHRM)の2019年度年次総会が、6月23日−26日の4日間ラスベガスにて開催されました。
 参加者は、コンファレンス参加者だけで、18,000名で、過去最高、SHRM会員も30万人を超え、SHRM CP/SCP HRプロ認定者は、11.5万名の過去最高を記録した。
 海外参加者は、カナダが258名、韓国が195名、日本は、7番目の50名である。2018年と比べれば、微増になった。日本企業で、日本からの参加者最大は、日立グループ、米国支社からの参加者が最大なのが、Toyota グループです。Toyota米国からの参加者は多いが、日本からの参加者は少なく、米国だけで必要だと考えているのであろうか?
 韓国は、財閥系企業の人事開発部門を中心に、韓国本社からの参加者が多いが、独自のプログラムを組むところが多く、SHRM主催のウエルカム パーティには、殆ど参加していない。
 日本企業の人事総務部門は、韓国系財閥と比べると、グローバル人材マネジメントに関する興味は、低いと言える。
 新President & CEOJohnny  C. Taylor. Jr.の指揮のもとで、開かれた2回目の大会だが、今年は、新経営幹部が発表された。その概要は、こちらから見れます。黒人幹部が3名、女性幹部が16名で、人材マネジメント関連団体では、もっともダイバーシティーが進んでいる団体だ。
 その中でも、注目すべきは、アジア、太平洋地域を統括するMs.Achal Khannaで、SHRMIndia出身で、アジア太平洋、中東地域を担当している。中国、日本もこの中に入ることになる。
 SHRM アジアの中で、SHRM Indiaが最大の組織であり、その組織を育てたのが、Ms,AchalKhannaだからだ。SHRMでは、インド支部が、中国や日本を含めて、指導する立場になる。彼女の履歴は、こちら。 
 さて、今年の共通テーマは、「Creating Better Workplaces」であり、日本と同様の働き方改革が中心だが、日本企業とは、全く状況が異なる。
  今年の基調講演者の概要に関しては、こちらのメルマガをご覧ください。実際の講演を見た感想を追記します。
 初日の基調講演者は、栄光と挫折を味わった、Martha Stuwartの生き残り戦略で、発表した写真は、若かりし頃の写真だが、現在では、お嬢さん育ちとは、とても思えない、たくましさがあり、熟女、熱血漢のイメージが漂っている。試練の中で鍛えられた、決して、めげない強さが感じられる。
 2日目の基調講演者、ヒューストン大学教授のBrene Brownは、わかりやすい口調で、基本的なことを語りかける話術は、たいしたものがある。多くの女性にありがちな、傷つきやすさ、もろさ、ためらいの気持ちから、どのように振る立たせることができるのかをわかりやすく、話しているのが受けている。自分の弱さを認め、それを原動力に、行動に結びつけるにはどうしたら良いのか、いつの世の中でも重要なテーマになる。 
 今年、特に、注目されたのが、インド人のVineet Nayarの基調講演だ。インドのIT企業 HCLTのCEOとして、7年で、7倍に成長させた話は、大きなインパクトがあった。 
 従来、難しいと思われていたテーマに対して、従業員のやる気をひきだすことで、従業員の意識改革を進める手法は、従来型の率先垂範型とは違い、社員からの信頼透明性にあるこという。「従業員ファースト」のこの手法は、いうのは簡単だが、実際には、実践するのは、大変難しく、その自信あふれた話しぶりは、大変印象的であった。 
 SHRMでは、今後も、インド系企業の経営者や、成功者が登場することが増えることが予想され、世界にもまれな、人財の宝庫だともいえる。   
 優秀な人材が集まるIIT(Indian Instuitute of Technology)の合格率は数百倍にのぼり、ここに入学できない生徒は、欧米の有名大学・大学院に入学するという。 
 インドでの人財開発は、世界的にも成功しており、欧米有力企業の経営陣の多くを、インド系が占めており、高額の給与をえている現実を考えると、社員全体の底上げを重視した日本的経営より、はるかにもてはやされているのが現実だ。 

中東、アジア諸国の後押しもあり、ISO TC260 HRM Guidelineが普及している!
 2011年、ISO TC260委員会が設置され、人材マネジメントに関する標準化の議論が始まった。その間のいきさつは、こちらのサイトで、すでに解説したので、ご覧ください。 
 当初は、SHRMが中心になり、Performance managementCost per hireの標準化を進めたが、当初の委託期間の満了により、2015年に米国国家標準化委員会ANSIにその役割を返還した。
 その後は、米国、欧州諸国の他に、オーストラリアインド、パキスタンイラン、ロシアが加わり、加盟28カ国の国々により、より広い分野でHRMに関する標準化が進展した。
 米国、欧州は、色々な分野で、標準化を進めることで、世界のリーダーシップを握れるとの過去の経験から、標準化には、大変積極的だ。 
 また、政府の強いリーダーシップにより、人財開発を進める傾向のある国では、ISOによるHRM標準化は、グローバルな考え方を学び、自らの考え方を広める絶好の場として、活用され、国際標準の人財マネジメントの標準的な取り組み方として、政府主導で進め、急速に普及が進んでいる。  
 一方、日本、韓国、マレーシア、タイ、スイス等の自由主義的な傾向が強い国では、標準化には抵抗感が強いこともあり、慎重論が強く、長年の間、観察経過の状態が続き、この標準化には、正式参加していない。 
 参加28カ国主導にて、下記に示す、主要13分野でのグローバルHRMの標準化が進められている。 
 現在は、採用分野での財務指標(メトリックス)や、戦力計画(Workforce planning)の標準化が進み、この指標に基づいたKPIの標準化が終わった。 
 SHRM2019コンファレンスでは、Result-based KPIs Demonstrating your impactfor Bottom-line results のセッションでは、採用時の基本指標に関して、中東系のコンサルが発表した.
 一方、米国系企業で、Metricsの自称老舗コンサル(Competitive Solutions Incs.)が、Metrics that matterのテーマで、より実践的な事例発表を、SHRM2019コンファレンスにて、行っており、これも大変興味深い。この分野でも、熾烈な競合があるのだとの印象をうけた。
 また、CSR分野でのISO26000が普及期に入り、その派生モデルである ISO/TR  30406 Sustainable Employability management for organizationや、その報告指針としてのISO30414 Guideline for internal and external humann capitalreporting関連の標準化も、決定し、今後は、こういう報告指針に基づき、CSR報告書が書かれることになる。     
 ESG投資を引き付けたい企業は、この報告指針に基づき、CSR報告を作成して、発表する必要性が出てくるので、日本の有力企業は、これらの報告手法をマスターして、報告することになる。  
 今後は、米国、欧州、インド、中東の有力企業は、このような要件を満たすための最低条件として、これらのSDGs関連のISO  Guidelineを念頭に、CSR報告書を作成することが求められる。  
 TC260加盟国では、これらの準備が進んでいるが、日本、韓国のような、未だに、観察経過国では、このような標準化の情報が普及していないことが、HRMの運用面でも不利な状況は、否めない。
 今後、数年以内には、現在準備中のテーマ、戦力計画(workforce planning)の本体となるworkforce  management、employee engagement、Learning andDevelopment、Diversity and Inclusion等に関しても、そのガイドラインが数年内に整備され、これに基づいた各種の報告書の発行を求められることになる。 
 これに準拠しないと、優良企業として、SDGsの実践度が評価されないことから、この報告手法に基づいた報告がないと、ESG投資でも不利な状況に追いやられることになろう。
  今後は、この基本概念の理解と普及が日本に課せられた大きな課題になる。

People analytics, Workplace analytics分野での進展が、今年も注目を集めた!
 2018年度、ドバイの銀行系コンサルtanfeethが、People analyticsに関する素晴らしいプレゼンを行ったこともあり、今年は、People analytics for bigginersと称して、2回のセッションを設け、満員の状況であった。
 この影響もあり、2019年度は、analytics関連のセッションが急増した。
 その中でも、好評だったのが、オーストラリアのCommonwealth銀行での事例である「Shyft: How to create an HR analytics strategy」だ。 
 もともと政府系金融機関であった同行が、「IT化が急速に進む多くの分野では、Peopleanalyticsの有効活用が生命線となる」と判断したためであり、FintechPeople analytics普及の相乗効果が期待されている。  
 日本の大手銀行での社員の意識改革は、これからで、AIとの共生が重要テーマになってはいるが、Facebookが始める仮想通貨に存在感を失われるのではないかとの懸念が進んでいる。
 それ以前の問題として、各種のセキュリティ対策や、詐欺対策に重点を置いているので、People analyticsを活用して、従業員の意識改革を進める所まで、手が回るかが大きな課題になろう。
 今回のSHRM2019ラスベガス大会からも、これからの新しいグローバル人材マネジメントの潮流を知るよい機会であったが、この状況を9月及び11月の戦略的人材マネジメント研究会では、話題のPeople analyticsの最新動向、更には、LinkedInの推進するTalent Inteligent戦略を含めて、紹介しました。詳細は、こちら
 尚、本研究会では、知識の習得より、みなさんの実務でどう導入すべきかのヒントを得ることを主な目的としているので、皆さんの率直な意見を期待しています。

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