戦略が実現出来る効果性の高い組織を目指す

最新版のパフォーマンス・マネジメントとは?
パフォーマンス・マネジメントとは?
 1970年代、ダニエルズは、「パフォーマンス・マネジメント(PM)を、メンバーが行動から結果に結びつけるための人材マネジメント手法」として紹介しました。
 欧州最大の人材開発協会CIPDのバロンアームストロングは、「単純な目標管理をしたり、個人を評価するのではなく、人材開発を含めて、戦略を効果的に実現するための全体最適で、統合的な人材マネジメント手法の集体系である」としました。従来の監督・指揮スタイルでは、必ずしも優れたパフォーマンスを導くものではないと考えたのです。
 また、ギャリー・コーキンスは、「パフォーマンス・マネジメントは、マネジャーとメンバーが連動して、メンバーが事業主であるかのように振舞える職場環境をつくること」だとしました。すべてのメンバーが主体性を持ち、挑戦できる、やりがいあふれる職場を構築するマネジメント手法として普及が進んでいます。
 更に、戦略を実行するため、組織/グループ/チームの目標、その中での各個人の役割、指導/支援関係を明確にし、チーム全体の効果性、ボトルネックやCS(顧客満足)を含めて分析、その先行指標を「見える化」して、その改善を促すことで、結果の改善を目指すプロセス重視の統合的なマネジメント手法にしたのです。
 従来の統制型のMBO(目標による管理)とは、一線を画しており、従来型のMBOから、最新型のPMスタイルに如何に移行するかが、今後の大きな課題となります。
 近年、人材マネジメント(HRM)の中でも、パフォーマンス・マネジメントは、その中核的な存在となり、欧米の有名大学/大学院のHRM課程の中では、パフォーマンス・マネジメントは、必須課目にもなりました。
 2011年現在、国際標準化機構ISOで検討中の人材マネジメント(HRM)の標準化でも、その中核的存在として議論されています。

MBOを効果的に実施するための3つの必須条件とは?
 従来の目標による管理(MBO)では、目標を設定したら、「担当者の能力ややる気とは関係なく、頑張ってやれば良いもの」と思いこみ、何かわからないことがあったら、質問してもらって、それだけ対応すれば、十分と考える傾向がありました。これは、確かに仕事なれた人には良くても、まだ慣れない未経験なメンバーや、全くの未体験ゾーンの仕事をする場合には、チームとして支えていく仕組みづくりが必要になり、これを実行することで、育成効果は飛躍的に高まります。これが、十分になされないと、無駄が多く発生したり、やってみたけど、うまくいかないケースが多発するのです。

 パフォーマンス・マネジメントの視点から、下記の3点に配慮する必要があります。
 まず、最初は、効果的なフィード・バックとコーチング(フィード・フォワード)に心がけることです。メンバーの仕事の進行状態を普段から把握して、目指している方向性に向かっているのかを確認し、必要に応じて、軌道修正することです。
 まだ、やりがいを感じて無いメンバー、主体的に動けないメンバーには、どのようにすれば、事業家精神を植えつけられるかを考え、色々な動機づけ、意識づけをします。その際、今回の業務目標だけでなく、個人の成長目標を別途もちながら、将来の夢やキャリアの実現を視野に支援することで、本人もやる気を出すようになります。
 最初から、一人だけでは、困難が予想される目標の場合には、職場の経験者をメンターとして、支援する仕組みもつくることで、本人もやる気になります。先輩は、後輩をライバルとしてではなく、仲間として協創する職場づくりが重要なのです。


組織全体の効果を出すには、パフォーマンス・マネジメントが鍵を握る!

 MBOで、良い実績をあげられるかは、実践者の実力と努力は、確かに基本ですが、それだけでは、良い結果を期待できるものではありません。
 職場での協創関係がどれだけあるのか、成功を妨げる阻害要因を取り除けるか、サプライチェーンのボトルネックはどこなのか、等の色々な要因を改善するパフォーマンス・マネジメントの成否が重要な成功要因になることが多いとからです。
 従い、メンバーに対するパフォーマンス評価の他に、メンバーを支援するメンターや現場リーダー、更には、マネジャーに対するパフォーマンス評価が重要な意味を持つようになるのです。
 この実現には、一般社員だけなく、支援役であるメンター、現場リーダー、更には、マネジャーの役割を明確にして、チーム全体のパフォーマンス・マネジメントを実施することが、より重要になります。
 同じ目標を共有するチーム全体の課題として捉え、全体のパフォーマンスの振り返りを行い、逐次、これからの改善計画、人材育成計画を立案、実施する必要があります。
 これら全体をマネジメントするのが、本来のパフォーマンス・マネジメントなのです。


ANSI版パフォーマンス・マネジメント標準サイクルとは!

 ANSI版のパフォーマンス・マネジメント標準サイクルでは、日常的にフィードバック及びコーチング&メンタリング実施しているかを重視しており、自己評価と上長の評価を比較して、その違いを十分理解してもらい、組織的な支援を含む改善計画、個人の成長に必要な支援計画(メンターをつける、個別研修に参加する等)を実施することを求めています。
 結果や業績ばかりを追求するのではなく、各メンバーの強みを把握し、その能力が発揮できる機会をつくり、仕事を通して、各メンバーの能力開発を行い、チームとして最大のアウトプットを出せるようにマネジメントすることです。
 メンバーを評価をする場合は、個人の業績だけをみるのではなく、どんな点で成長したのかのプロセスや、チームにどれだけ貢献したのかを含めて、判断することになります。
 それとは同時に、個人の成長目標の達成により、組織の目標達成にどれだけ貢献しているのかを検証する必要があり、組織に貢献する機会を出来るだけ多く提供する必要があるからです。
 また、ANSI版が、定めるパフォーマンス・マネジメントの標準サイクルでは、下図に示した通り、従業員の自己評価組織による評価開きを明確にして、従来の人事考課を見直し、より納得性のあるものを目指しています。
 尚、パフォーマンス・マネジメントを実施することで次の6点の改善が期待できます。
@仕事の責任感、期待を明確にできる
A個人と組織の生産性の向上に役立つ
B従業員にフィードバックやコーチングをすることで、従業員の能力開発につなげる
C組織の核となる価値観や目標、戦略を実現するための行動を呼び起こす
D職場の人財の意思決定に役立つ基本原則を提供する
E従業員とマネジャーのコミュニケーションの改善に寄与する


米国連邦政府の定めるパフォーマンス・マネジメントとは!

 米国では、1993年にGPRA(Government Performance and Results  Act)が施行され、米国連邦政府のすべての機関では、その基幹プロジェクトに関し、戦略的な目標を設定し、それがキチンと実行できたかどうかの業績評価をすることを義務付けました。この執行機関であるOPM(Office of Performance
management)は、いくつかの実施マニュアルをインターネット上で公開しています。

 その中にHandbook for measuring employee peformanceがあります。この内容は、民間企業で実際に行われている従業員用のパフォーマンス・マネジメント手法を紹介しています。

パフォーマンス・マネジメントは、評価者用ではありません。

 個人の大体の成長目標/キャリア目標を設定したら、その支援をするのに適切なメンターを設定します。メンターが決まると、真剣にならざるを得ない気持ちになるのが、普通です。
 くれぐれも、「おれは自分で勉強して、頑張ったものだ」と言って、まだ慣れないメンバーを放任すると、最終的に期待外れになることが多く、本人の努力不足もさることながら、その多くの責任は、放り出した上長の責任になります。
 若手人財の活性化もかねて、やる気のある若手メンターを抜擢して、やる気にしたり、メンバー(メンティ)、メンターへの適切なフィードバックモチベーションが有効になります。これらの人材育成でのパフォーマンス・マネジメントが、上長及びメンターの今後の大きな課題となります。
 これら全体のパフォーマンスをどれだけ改善できるかが、パフォーマンス・マネジメントの神髄なのです。
 よくある誤解に、「パフォーマンス・マネジメントは、評価者用なので、自分には関係ないと考える方が結構多い」ですが、決して、評価者用に行われているものではなく、マネジャー/現場リーダー/スーパーバイザー/メンターにとっても、大変重要なベースとなるマネジメント手法と認められており、ANSI/ISO HR標準として、パフォーマンス・マネジメント条項にとりいれられました。
 「新版のパフォーマンス・マネジメントを自然に実践できる人財こそが、次世代のマネジャー/リーダー」と思われる様になりました。
 詳細は、こちらをご覧下さい。
 当センターが主催するワークショップ、企業向け研修では、これらの概念を理解した上で、実践的な学びを沢山得ることができます。

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