人材マネジメント協会SHRM2010年次総会視察報告

今後10年のHRMの目指す方向が見えてきた!

人材マネジメント協会SHRM2010年次総会の報告書の中から、一部抜粋しました。

新興国からのHRM関係者の参加が近年急増!
 人材マネジメント協会SHRM(会員25万人)は、世界最大のHRM(ヒューマンリソースマネジメント)の専門コミュニティです。毎年、6月末に開催される年次総会には約11,000-12,000人の参加者が集い、人材マネジメントに関する世界共通の課題に関し、成功事例の発表や情報交換の場であり、熱い議論をする場でもあります。一方的に教えるとか、学ぶ場としてより、実務に携わる関係者HRMプロフェッショナルの交流の場となっている。
 このコンファレンスに参加するため、韓国、インドや中国などのアジア、中東諸国から、1日以上かけてはるばるやっくる参加者が年々増加している。特に、韓国からは、約200名が参加し、その熱心さが、際立っています。欧米での韓国企業の存在感は、年々増しており、SHRMでも、米国以外からの参加者では、最大になった。ASTDへの韓国からの参加者(390名)ほどではないものの、年々着実に増加している。
 それと対照的なのが、日本からの参加者です。昨年度は、急性インフルエンザ、経費の削減の影響をもろに受け激減し、今年になっても、この傾向は改善されず、日本からの参加者が激減している。これは、世界の潮流とは全く逆の流れであり、市場での日本企業の存在感が急速に低下している点に呼応している。
 これは、欧米諸国への留学生は、アジアの新興国を中心に近年急増しているものの、日本からの海外留学生が、激減している現象にも類似している。
 日本人は、なぜ、「井戸の中の蛙、大海を知らず!」になってしまったのであろうか! 海外の留学経験者からの日本企業への就職希望者が激減しているとの一部のマスコミ報道の背景を垣間見た感がある。
 

2010年、 人材マネジメント協会SHRMは、新しく進化した!
 近年の厳しい経済環境を反映し、リストラが続く企業は、市場での競争力が急速に低下しましたが、イノベーションをもたらし、時代の流れにのった企業は急成長している。
 この厳しい局面を打開しようと、同じ悩みを抱える仲間が協力して、才能ある人財を共有財産として育て、イノベーションを生みだせる職場環境を構築し、それをきちんと評価し、組織的に育てる取り組みが多くの先進企業で進んでいる。今年から、SHRMでは、従来の伝統的なHRMのテーマから、大きく脱皮し、将来を見据えて、より戦略的に、色々な関係者を巻き込み、より統合的な取り組みがその主流になった。戦略的マネジメント、タレント・マネジメントと呼ばれる取り組みである。また、急成長する新興国に進出するためにも、グローバル人材の育成も大きな課題になっている。
 従来の金銭的報酬より、個人の成長を支援した方が、より効果的な報酬体系が組めるとの考え方から、全報酬体系を見直したトータル・リワードの導入事例が増加している。
 今年は、エンゲージメント(仕事に対する真剣な取り組み)に関する大手企業(例えば、ウォルマート他)からの発表事例も増加した。
 また、タレント・マネジメントが役立つ場面が、増えたこともあり、その応用範囲、普及地域が急速に広がった。

世界を揺るがす「雇用のミスマッチ」が更に広がる!
 優秀人材の転職が当たり前の欧米企業では、後継者育成が、非常に重要な課題として、取り上げてきた。この実現のため、タレント・マネジメントが注目を集め、導入が進んだ背景がある。
 しかし、最近は、ベビーブーマー(団塊の世代)の問題は一段落したこともあり、それ以上に注目されているのが、雇用のミスマッチである。
 ある予測では、2020年には、1億2300万人の高度技能労働者が必要になるが、5000万人ほどしか、使えないのではないかとの報告ある。これが事実だとすると、2020年頃には、1億人ほどの単純労働者が、仕事につけない可能性があるということになる。これは、景気の動向だけの問題ではなく、構造的な問題を抱えていることになる。
 この状況は、日本も同様で、急速な円高が今後も続くと、約40%の製造業が、生産ラインを海外にシフトすることを迫られる。こうなると、日本でも全く同じ問題が再燃することになろう。
 この課題は、他山の石では、決してなく、日本にとっても重大な問題でもある。従来生産現場で必要とされた単純労働者は、いらないということになり、高度技能者への転換が急務になる。
 これを実現する最適の手法として、世界が注目しているのが、タレント・マネジメントなのです。

新興国まで、積極的に導入を進めるタレント・マネジメント!
 先に述べた通り、従来は、後継者養成(業務の継続性、事業の継承)の最適な手法として、紹介されたタレント・マネジメントでしたが、現在では、その応用範囲も飛躍的に広がり、イノベーションの起きる職場づくり、将来を見据えた競争力の強化の決め手として、再度注目を集めている。
 また、タレント・マネジメントの普及の調査報告だけでなく、将来予測の報告書まで登場し、欧州から、更には、中東、アフリカへの発展が期待されているのは、注目に値する。
 既に、SHRM/ASTDでも、インド、中国、中南米からの導入事例も増えており、その急速な広がりが見られるのが大きな特徴だ。
 なお、詳細に関しては、タレント・マネジメントコースも開催しており、こちらに参加頂くと、ASTD/SHRMでの最新のタレント・マネジメント情報をもとに、実践的な演習を通して、日本企業での活用法を分かりやすく学ぶことが出来る。

個人の成長に力をいれるトータル・リワードが、世界の潮流だ!
  ASTD2010の基調講演を行ったダニエル・ピンクが、日本でもモチベーション3.0を発売し、注目を集めていますが、SHRMでは、トータル・リワードという考え方が普及している。 今年は、トータル・リワードを導入した企業からの発表が多く見られた。
 従来の金銭的な報酬の効果には、限界があると言われ、非金銭的報酬とのバランスを取る考え方が、進んでいるが、トータル・リワードの考え方では、報酬、ベネフィット、個人の成長の3要素のバランスを如何にとるかを重視している。
 オハイオ大学 ロバート・ヘネマン教授は、トータル・リワードの権威で、彼が制作した小冊子、'Implementing Total Rewards Strategies' を見るとその概要がつかめる。
 SHRMの背後には、SHRM Foundationという母体があり、識者が実施する各種の調査活動を応援しており、その成果物は、無料でダウンロード出来るので、皆さんも、活用されては如何であろうか? すべて英語版だが、グーグルで検索することで、日本語に自動翻訳することも可能である。(ただし、翻訳精度には、まだ課題があります。)
 なお、8月25日に開催のJSHRM10周年記念コンファレンス、分科会で発表した最新資料をこちらからダウンロードできるので、ご覧下さい。更に、詳細の情報を見ることも可能だ。

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