コーチングとは?
 

従来のマネジメント手法の限界

 従来型マネジメントでは、チーム・メンバーに技能や意欲があろうとなかろうと、最初は、「指示・命令」で、仕事をやらせることが、手っ取り早く簡単で、効率的であると考えています。これになれた社員は、一見おとなしく命令に従っているように見えますが、実際は、その背後では、違った行動をとりやすいとも言えます。上長には、反感を持ち、故意に妨害をしたり、業績を悪化させることも良くあります。上長は、社員を支配している積もりが、全く逆になりかねません。
 従来型マネジメントの一つが、「説得」や「依頼」です。これは、上長が如何にも正しい考え方をしているかを聞かされることになり、またかと感じて、意欲はわきません。メンバーは、上長に協力したとの意識をもつことになり、自分には、責任はないと考えるようになります。
 「話い合い」の場合は、一見時間がかかりそうですが、理解度が深まり、実行する場合は、直ぐに行動に移せる利点があります。自分の意見が通れば、責任感を感じ、熱心に行うことになります。指示・命令で行うより、意識や情熱が高まり、成功の確率も上昇します。話し合いの結果決まった場合は、上長とメンバーの共同責任を感じるようになり、行動に移す優先順位はあがり、結果的には、早く行動するようになります。
 コーチングで進める場合は、指示・命令より、多くの情報を掴むことが出来、相手にも任務に必要な行動、注意点を認識させることが可能です。支援する姿勢を示すことで、相手に主体性の意識と責任感を植え付けることが出来るようになります。指示・命令で行っても、幻想のコントロールに過ぎませんが、コーチングにより、本物のコントロールをすることが出来るようになります。
 一部のマネジャーは、「忙しく忙しくて、コーチングしている時間がない」と言うかもしれません。その時考えるべきことは、メンバーにコーチングすることで、自分で考えるようになれば、次第に成長し、より大きな責任を分担することが出来るようになるということです。こうなれば、マネジャーは、緊急対応措置から開放され、重要事項に時間をかけられるようになります。人を育てることで、一層自分に磨きをかける時間を作り出し、メンバーからは、信頼されると言う一石ニ鳥と言うべき素晴らしい効果を得ることが出来ます。
  

コーチングとは?

 米国経営協会発行の「コーチング、カウセリング、メンタリング」では、コーチングとは、「コーチや管理者等がチーム・メンバーの課題・目標設定を手助けし、前向きの姿勢で、遂行に必要な気づきを与え、励まし、挑戦を促し、現在の仕事のパフォーマンスを改善すると同時に、将来の可能性を引き出す技法のことです。」これは、パフォーマンス・コーチングの基本的考え方を示しており、仕事の結果と将来の可能性を引き出し、仕事のパフォーマンス改善があったかどうかが、パフォーマンス・コーチングであるかの判断の鍵とされます。
 コーチングの生みの親と言われるティモシー・ガルウエイは、「コーチングは、人の潜在的能力を引き出し、そのパフォーマンスを極大化することです。教え込むことより、自分で考えることを手助けすることです。」と述べています。また、「コーチングとは、人の潜在能力を解き放ち、最高のパフォーマンスを上げることだ。教えるのではなく、自ら学ぶことを助けるのである。」と説明しています。この定義でも、パフォーマンスの重要性が基本になっていることが分かります。
 更に、ジョン・ウイットモア卿は、『「意識」と「責任感」を育てることが、優れたコーチングの真髄でもある。』と言っています。逆に言うと、「意識や責任感が伴わなければ、優れたコーチングとは言えない」ともなります。更に、「指示・命令では、当事者意識や責任感を感じないことから、これを感じさせるためにコーチングをする」ことで、指示・命令で達せられなかった当事者意識と責任感を呼びさますことが出来ます。この関係からするとコーチングは、指示・命令と比べどれだけ役立つかを理解することが出来ますが、「コーチングは、相手が誰でも効果があると言う訳ではない」ことも事実です。

コーチング基本4スキルとは?

 コーチは、昔は4頭立ての馬車であり、4輪大型馬車をさします。現在では、乗合自動車やバス、鉄道の客車の部分を呼ぶこともあります。何れにしても、4輪で地面をしっかりささえながら、目的地に向い着実に進んで行きます。
 やる気を引き出すコーチング基本スキルには、@質問する、A傾聴する(聴く)、B観る、C伝えるの4つがあります。これを聞くと、「こんなこといつもしているよ!」と思えるでしょう。しかし、コーチング基本スキルには非常に奥深いものがあります。
 コーチングの基本は、相手のやる気と可能性を引き出すことから始まります。従来の伝統的リーダーは、自分の意見をついつい先に述べてしまう習慣があります。これでは、やる気と可能性を引き出せますか? これがいつもであれば、メンバーは依頼心が強くなり、自分の意見を言わなくなります。言わないということは、考えなくなることです。受身人間がここに出来上がるのです。皆がやる気を持つには、だれもが、自分の意見を自由に話す職場の環境が必要です。
 自信のない人は、気の合う人だけに、自分の考えと批判を面白半分に話す習慣が良くあります。確かに、自分の意見をまとめるには、役にたちますが、これだけで、仕事をしていることにはなりません。重要な相談は、実際の関係者と直接話すことが基本であり、これを頻繁に行うことです。この必要な会話を上長側から促すのが、コーチングの基本4スキルなのです。上長が分らないから聴くのではなく、メンバーの考えを引き出し、現在どこまで進んでいるかを把握しながら、不足している情報をヒントとして示唆し、気づかせながら自分で考えることを促すものです。指示したり、教え込むのとは、意味が違います。自分で考えることを促すことが原則なのです。

コーチングでのGROWモデルとは

 上司から一方的に指示命令していると、受け身的になり、自ら主体的に行動しなくなります。メンティが自主的に目標(GOAL)を設定し、現状(REALITY)を把握し、その改善策(OPTION)を引き出す手法が、このGROWモデルです。このGROWモデルは、英国のジョン・ウイットモア卿が、最初に提唱したもので、これをもとに多くのバリエーションが考案されるようになりました。メンタリングの基本を学習する際に、非常に役立つモデルです。
 一方的にメンバーに結果だけを告げただけでは、何故しなければならないのか等の動機付けづけなされます。十分な効果が期待できませんので、現場リーダーがメンバーに対して、このGROWモデルのプロセスに基づいて、コーチングで引き出すことで、自主的な改善を進めるのが、GROWモデルです。しかし、メンバーに対し、突然、「あなたの現在の課題は、何ですか?」と質問するだけで、真剣に考えるようになるかは、大きな課題です。
 そこで、主体的な改善を促すには、どのようにするべきか、会社が考えている将来のあるべき姿を示し、メンバーに求められていること(期待)を語ることで、方向性を明確化します。その上で、メンバーに改めて、目標として設定を促し(指示命令としてではなく、例えば期待の実現として)、自らその改善計画をGROWモデルで、引き出します。このような引き出し手法を拡大GROWモデルと呼んでいます。この拡大GROWモデルでは、目標の共有に至るため、その前にどのような将来のイメージ像を持っていて、その中でメンバーがどのような点で期待されているかを上手く伝えられるかであり、その期待にどれだけこたえられれば、上長や回りからは、どのように感謝され、認められるかを、効果的に動機づけられるかにかかっています。

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