優秀なグローバル人財に好かれる企業ブランドを目指して

国際標準化機構ISO HRM標準とは? (2013年10月改訂)


人材マネジメント協会SHRMの主導するISO HRM標準とは

 米国人材マネジメント協会SHRMでは、人材マネジメントHRMの標準化に乗り出し、米国国家規格協会ANSIの事務局として、2009年から準備を開始しました。ANSIは、国際標準化機構ISOにHRM標準の提言を行い、2011年1月には、TC260として、準備委員会が発足しました。
 標準化と言うと世界でひとつの方式に統一するかのように捉えられがちですが、HRM標準は、実践法やプロセスの標準化というより、目標を明確にして、その達成がどれだけできたのかという、マネジメントの効果性に重点を置き、一定レベルに達しているかを判断しようとしています。これはあくまでもマネジメントの効果性であり、必要なプロセスがあれば良いということでもありません。
 その中では、プロセスとしてのフィードバックの手法、目標の達成度の必要最低レベルを規定し、人材マネジメントHRMのあるべき姿を念頭に、ある一定のマネジメントレベルをクリアしているかどうかのガイドラインになります。

 このガイドラインは、あくまでも各企業の判断に基づき、実施するものであり、これを実践することで、業績に貢献することが期待されているものの、業績に貢献したかどうかを検証しようとしているものではありません
 これは、最優秀事例を表彰するものではなく、各種の効果測定手法効果測定指標を明確にし、従来なされていなかった、最低限の効果性を認証するISOのHRMガイドラインの実現を通して、企業全体の人材マネジメントのグレードアップを目指します。
 その対象分野として、職務記述書、戦力計画、パフォーマンス・マネジメント、ダイバーシティ、更には、人財ダッシュボード、HRプロの一人当たり人件費(Cost per hire)、各種の人財指標等が含まれ、今後はその範囲も拡大する見込みです。
 今後、グローバル企業として活躍する企業は、地域ごとにばらばらなHRMガイドラインではなく、グローバルな視点で、会社全体として整合性のとれたグローバルなHRMガイドラインを採用することで、開かれたグローバル企業として認知され、人材の流動性を高めることが求められます。
 この新たなISO HRM標準の認証を得ることで、グローバル企業として認められることになり、企業ブランドの向上、企業イメージの改善、優秀人財の獲得 等で、良い効果が期待できます。
 2011年11月10日に開催の第1回ISO/TC260会合には、当初は、欧米諸国を中心に8か国が参加予定でしたが、マレーシア、パキスタン他も加わり、13か国に広がり、2013年3月現在では、ケニア、ポルトガル、ロシア、トルコ等が参加し、20カ国に急拡大しました。尚、日本、インド、韓国等は、検討中です。
 2012年3月、米国標準化機構ANSIでは、HRプロのCost Per Hire(一人当たり人件費)の原案がまとまり、同年9月には、ISO TC260委員会にて、国際会議が開催されました。
 その間、パフォーマンス・マネジメントの原案が、2012年12月には、米ANSIで承認されました。

 この影響で、日本の人材マネジメント界も大きな影響を受けることになります。早めにこれらのマネジメント手法を導入している企業は、その成果が世界で広く認められることになります
 尚、ISOTC260委員会の事務局は、従来SHRMが代行してましたが、2015年3月から、ANSI ASDに移管されることになり、新たな組織の中で、仕切り直しを行うことになりました。

ISO HRM標準は、何故世界的に求められているのか?

 本来、技術の標準化を推進する国際標準化機構ISOが、HRM分野まで領域を拡大する必要があるのかと疑問を持つ人も多いかと思います。
 グローバル化が急速に進む時代だからこそ、HRMの標準化が求められる色々な背景があります。グローバル・ビジネスで成功するには、「潜在能力のある優秀なグローバル人材を獲得し、定着させる」ことが重要な課題になります。
 しかし、潜在能力のある優秀なグローバル人材ほど、同じ職場に定着しにくいのです。例えば、引く手あまたの欧米の一流大学/ビジネススクールを卒業した人たちにとって、自分の能力をキチンと評価しようとしない会社に、一生骨を埋めると言う選択肢はないからです。
 「自らの強みや潜在能力を認め、職場の仲間が協力して、育てようとする職場環境が必須条件だ」と考える様になってきたのです。大きなプロジェクトの立ち上げ、新規プロジェクトへの進出では、ISOで標準化しようとしている人材マネジメントの新しい仕組みが非常に重要な意味を持つことになります。
 これからは、自分の実績をキチンと評価する仕組みがあるのかパフォーマンス・マネジメント)、潜在能力を育てる職場環境があるのかタレント・マネジメント)、物事の考え方、生活様式等の多様性に配慮し、それぞれに対応しようとする意識と努力を奨励する企業風土があるのかダイバーシティ)などが、大変重要な視点になります。
 尚、最新のHRMガイドラインでは、パフォーマンス・マネジメントタレント・マネジメントが、欧米の有名大学/ビジネススクールでのHRM必須課目となっており、これを導入していない企業は、未だに古い仕組みにこだわっている古臭い企業と判断されることになりかねません。
 世界で広く導入された人材マネジメントHRM手法が、キチンと導入され、一定の効果をあげている優良企業を認証しようとする動きが、ISO HRM標準化の運動なのです。
 また、従来の人事考課目標による管理手法MBOが形骸化し、行事化していて、多くの社員やマネジャーまでも不満を感じてませんか?
 もし、このような状況が見られる企業でも、今回の新ISO HRM標準のガイドラインを導入することで、社内でも社外でも、企業としてのイメージアップがはかれると共に、会社の信用度を飛躍的に高められます
 企業イメージ改善のために、いくらTV広告、新聞広告に高い費用を費やしても、企業の信用を高めるには、限界がありますが、信用ある国際的な認定機関から、安全・安心のレッテルをもらえるのですから、費用対効果は非常に高いと言えます。
 例え、円高を好機に、多くのM&Aを実施しても、優秀経営者、優秀な技術者が定着しなくては、成功はありえません。グローバル企業を目指す日本企業にとっても、企業のブランド・イメージを高める大きな助けになります。
 もし、成果主義や目標管理MBOの仕組みが形骸化して、定着率の低下が顕著な企業は、この認証サービスを利用して、グローバル企業としての組織体系を整え、ISOHRMガイドラインを明確にして、実践することで、企業ブランドの向上に大きく寄与することでしょう。

現在検討中のANSI/ISO HR標準化のテーマ

 米国家規格協会ANSIの標準化テーマとして、大きく分けて、4つの分野に分けられます。@採用と戦力計画、AHR指標と戦力分析、B戦力のパフォーマンスマネジメント、C多様性と巻き込みの4つです。
 このうち、Cost per Hire, Performance ManagementのANSI標準は既に決まり、小冊子をサイトからダウンロード可能です。
 Workforce Plannningは、既に最初のドラフトが、公開公示中です。
 その他のテーマは、現在ドラフトを検討中です。
 当初は、投資家用のHR指標が含まれていましたが、一部の関係者からの強い反対に会い、外部発表用のHR指標は、当面取りやめになり、社内検討用のHR Metrics(HR指標)及びHR Analytics(HR分析)として、再編成される予定です。
 そのための駆け引きが現在進められています。
 その中でも、業界内の実績では、タレント開発報告手順TDRPが一歩進んでおり、正式ワークグループとして、タスクフォースの再編があると、当時の担当ディレクターであるLee Webster(ISO HR Standards Director)が話していましたた。


今後、予想される大変化にどう対処すべきか?

 それでは、ISO HRM標準のガイドラインが登場するとどんな変化が予想されるのでしょうか?
 まず、最新版のパフォーマンス・マネジメントが登場することで、従来、多くの企業で認可されたISO9000等の中に規程されたプロセスさえ、しっかりふんでいれば、プロセス中心のマネジメントから、最低限のパフォーマンス(効果)を求める傾向が強まり、実績と自信のある人材や企業にとっては、他社と差別化が出来る様になります。プロセス中心の形式だけが先行した企業でも、効果性を高める改善が進み、全体のレベルアップが期待できます。
 パフォーマンス・マネジメントのガイドラインで規定された内容は、ごく基本的なプロセスと顧客満足(結果)を求めており、これを実行することで、社員のモチベーションも上がり、職場の活性化や離職率の低下等の副次効果も期待できます。
 優秀な学生が、働きやすい企業かどうかのチェック・ポイントにもなるので、すでに導入している企業では、優秀な人材を集めやすくなる効果も期待できます。
 Cost per hire(HRプロの一人当たりの人件費)の条項では、HRプロの人材を養成しているかを示すことで、将来性が高い企業と判断されますので、企業イメージの改善にも貢献します。
 Workforce planning(戦力計画)条項により、従来の短期志向から、将来の戦略的計画の実現を可能にし、トップの考え方が中長期的な視点で進められることになり、土壇場でのリストラも減少しましょう。
 今後は、将来のビジネスに結びつく、中長期的視点でのキャリア支援の重要性が、問われており、その実現のためには、潜在能力ある人材に、効果的な支援を職場が提供できるか、戦略的計画を実践するための戦力計画を実現するマネジメントが求められます。
 後継者となる幹部には、これを実現できるタレント・マネジメントの実績が問われています。そのタレント・マネジメントを実現するための下地をどれだけ整備できたのかを見るには、このISO HRM標準の実践度が重要な指標になります。
 これらの変革は、会社にとっても、個人のキャリア達成にも、非常に役立つマネジメント手法として注目をあつめているのです。

ISO HRM標準に関する誤解と不安に答える

 「欧米式の人材マネジメントを押し付けられるのでは、はたはた迷惑だ」と考える経営者、マネジャーは、いませんか?
 しかし、これは、果たして本当でしょうか? 
 従来の透明性のない曖昧な判断基準をベースにした古い閉鎖的な人材マネジメント手法では、一部の経営者やマネジャーには、都合良い面はあっても、職場で働く有能な人財にとり、果たして心地よい職場環境と高いモチベーションを期待できますか?

 国内ビジネスだけしか興味ない企業では、従来のやり方で良いと考えるかもしれませんが、少子高齢化で低成長の続く日本では、「企業の存続さえも難しい」のが現実です。
 グローバル・ビジネスに力を入れ、グローバルリーダーの活躍の場を広く世界に求め、職場を活性化したいと考える先進企業にとっては、このISO HRM標準ガイドラインの制定の動きは、これ以上の混乱をさけるためにも役立ちます。

 たとえ、ISO版 HRM標準が登場しても、従来の日本的なビジネス手法を必ずしも否定するものではありません同質社会の日本企業では、曖昧となってきた所を明確にし、多様性を認める動きが更に加速されることになります。
 所詮、人材マネジメントなぞ、面倒なものと思い込んでいるマネジャーには、国際標準化と言う言葉を聞くと、不安が増してくるかもしれません。
 しかし、今回のISOのHRM標準化の動きにより、人により全く異なったマネジメント手法から、もっと効果のあるマネジメント手法に集約され、グローバル・ビジネスの成功を後押する人材マネジメント手法を学べる職場環境づくりが進むことになります。
 これらのISO HRM標準が規定する基本ガイドラインを導入して、一定の効果を示せれば、ISOの様な国際的認証団体からもそのガイドラインが発表されます。
 このガイドラインを導入することで、グローバル企業としてイメージが改善し、秀な人材も集まる様になります。 
 この絶好の機会を利用して、飛躍できるかであり、グローバルな流れに柔軟に対応するため、従来の日本企業にありがちな、思い込みから脱し活力ある職場風土に転換することです。
 特に、パフォーマンス・マネジメント条項は、あくまでも人材マネジメントの原則的部分の方向性を示しているだけであり、詳細に関しては、各社が独自に、各社の文化を踏まえて、導入することになります。
 これは、各社の企業文化の違いを否定するものではなく改善効果を最大限発揮するため、最低限必要な職場環境を提示しているものに過ぎません。
 尚、よくある疑問や不安のいくつかを下記の表にまとめておきましたので、是非ご覧ください。

 目標による管理MBOとは
 パフォーマンスマネジメントとは
 MBOとパフォーマンス・マネジメントの違いとは

 当センターが実施するすべての公開コース、企業研修では、ISO 人材マネジメントHRMガイドラインに準拠した内容で実施します。
 詳細は、一般公開ワークショップ、特にパフォーマンス・コーチング&メンタリング基礎コース更には、企業研修をご覧ください。。
 また、ISOの最新情報の概要を把握したい方は、戦略的人材マネジメント研究会に参加することで、最新のHRM動向を学ぶことができます。

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