2005年 職場の意識改革の必要性が問われた年!

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 今見直してみると、あの時の考えが、どの位的を得ていたかがを知ることが出来る!


■ 2005年3月:ダイエーは何故変われないのか?
 再生機構によるダイエーの再生は、いよいよ大詰めに差しかかっています。従来のGMSを捨て、食品スーパーとしての再出発
を進めているが、かつての中内オーナーのトップダウン的リーダーが形を変えて、経営者として現れるのかどうかが注目されてい
る。権威や地位にこだわり、俺について来いタイプの経営者からの決別が出来るかどうかが、企業再生の成功を大きく左右してい
る。今回は、現在の企業の経営者に求められているのは一体何なのかを考える。

1.ダイエー再生の決め手は何か?
 今年1月、元ダイエー幹部が「ダイエーの蹉跌」と言う本を出しました。その中には、ダイエー再生の試みが如何に抵抗を受
け、頓挫したのか、変革が何故出来なかったかが語られています。その根の深さは、従来の日産自動車と同様、組織が硬直化した
状況が良く汲み取れます。それを改革出来るのは、著者が言う通り、全く異質のその業界に余り漬かってない、新鮮で、健全な意
識の経営者が来て全社員の意識改革が進められるかどうかにかっています。過去のしがらみを気にしない人で、現場のやる気と意
識を引き出せる経営者やリーダーが必要となります。現場の人財の意識改革を引き出し、成果をキチンとフィードバックし、改善
を導き出せる人財です。ゴーン社長をはじめとした日産自動車の新経営陣では責任の明確化とコミットメント引き出しで改善があ
りました。また、問題解決の先送りではなく、直ぐに実行する決断力と機動力が必要です。現場主導による組織横断的チームによ
る新たな仕組み作りが日産での変革をスムースに進められた最大の成功要因でした。これら全て、現場中心で組織の垣根を越えた
抜本的改革が進められてこそ会社の再生が可能になります。

 しかも、情報化の将来を見据えたお客志向の仕組みづくりが必須となります。これらの実務的ノウハウ全てが、メンタリングの
概念の中に生きており、それをメンタリング・モデルとして確立することで、必要な仕組みづくりが可能になります。

2.コクドの堤義明前会長は、指導者ではなく、独裁者だった!
 西武グループも、堤家が世襲と言う形で、力を温存し、更に拡大し、今の姿があるわけですが、従来のトップダウンの手法の綻
びが今回の騒動の根本的原因にあります。西武鉄道グループでは、堤家の独占的支配と言う形から、人財を育てることを長年にわ
たり怠ってきました。オーナーに従う番頭さんはいても、本来の経営者やリーダーは育っていません。これがどんなに恐ろしい状
況になるかを今回の一連のスキャンダルが物語っています。現場の人財を活性化する意識改革は正しくこれから進められることに
なるのです。

 GEのクロントンビル研究所前所長で、現在ミシガン大学教授のノエルティシーは、その著書「リーダーシップエンジン」の
中で、教育と学習のシナジーが生み出す「教育する組織」を提唱しており、その中で、組織が良い循環となるには、CEOやトッ
プリーダー自らが、教育の必要性を全面的に理解し、これを支援するかどうかで、組織の変革が進むかどうかで決まると述べてい
ます。

 リーダーの本当の評価は、組織にいる全メンバーが教育と学習をする環境にあるかどうかであり、他者にキチンと教えているか
どうかが判断の基準になります。従来のトップダウンのリーダーシップは、非教育的な悪循環の仕組みであり、メンバーが受身と
なり、自信を喪失、情報はトップに集中、官僚主義的、縦組織になりやすくなります。従来のダイエーにしても、コクド/西武鉄
道にしても、トップダウン的な非教育的悪循環が組織の活力を低下させ、従属的、盲目的人材を育て、会社の危機を呼ぶことにな
ったのです。

3.戦略的目標を如何に達成出来たかが問われる時代には!
 これからは、前例やしがらみを破り、新しい発想、新しい取組みをすることで、漸く生き残りが可能になります。過去の延長線
上に解決策があるのではありません。しかし、従来の意識を転換し、やり方を大きく変えると抵抗勢力が必ず現れます。多くの経
営者、管理職、リーダーに意識改革を呼び覚まし、企業風土として定着できてこそ、会社の継続的発展は実現するのです。

 かといって、従来のようなトップダウンでは、現場の人財が動きませんので、現場中心の実践部隊のリーダーの育成が必要であ
り、そのリーダーが成功するかどうかは、メンバーを旨く育成出来るかどうかにかかってます。

 この仕組みづくりとして世界的な実績があるのがメンタリングであり、メンタリング・プログラムとして進められています。
又、進めている変革を企業風土に定着させられるかどうか、何が問題なのかを見るのが、効果測定です。この測定効果をベースに
頻繁に改善を試みられるかで、職場への定着が進みます。


■ 2005年7月:ASTD2005年次総会、日本からの参加者が急増!  
 皆さん、全米人材開発協会ASTDをご存知ですか? 世界70000名の会員を擁する世界最大の人材開発専門家集団の年次総会
が6月5ー9日にオーランドで開催されました。今、人材開発HRDは、何故そんなに注目されているのでしょうか? その内情の
ホンの一部を読者の皆さんにご紹介しましょう!(ASTD2005年次総会の報告書は、
こちらから、ダウンロードが可能で
す。)

1.韓国経済の急成長は、人材開発に力を入れたから!
 ASTD2005年次総会には、72カ国から、昨年同様7500名が参加した。海外からは、韓国、日本、カナダがダントツに多
く、韓国が、327名で昨年とほぼ同様だが、日本が第2位に躍進し、昨年の135名から214名と59%増となった。韓国からの参
加者は、大手財閥からの派遣者が殆どで、韓国語通訳つきの個別セッションがあり、情報交換も積極的に行っている。日本は増え
たが、その数で韓国に追いつくにはまだ時間がかかろう。韓国のサムソン、LG等の財閥系が急成長している。

 その背景には、HRDに対するこの熱心さが、大きく影響を与えている。日本からの参加者は、会社、団体よりの派遣もあるが、
旅行者主催のツアーに個人で参加するケース、人材開発の専門家が個別に参加し、欧米での人材開発動向を視察するケースも増え
ている。

2.日本は人材開発でも、パフォーマンス・マネジメントでも遅れをとっている!
 日本の伝統的経営では、長期的視野で判断を行い、欧米の経営者は短期的に業績を上げることを狙って短期的視野で判断するこ
とが多いとされた。

 しかし、これは、1980年代の日本の急成長期以前に見られた現象で、現在の欧米企業は、その大半がソフト主導の会社で、戦
略的人材開発が経営の基本になっている。優秀な人材は、その労働環境により、転職が日常茶飯事で、これに歯止めをかけるべ
く、
メンタリング・プログラムを積極的に導入し、離職率の低下、後継者養成に力をいれており、毎年数社がこれらの事例を
ASTDで紹介している。

 トヨタ自動車等の成功事例が欧米でも良く紹介され、1980年代においてトヨタが日本経営の典型的事例としてトヨタが日本研
究の主な対象となっていた。その基本は現場中心主義であり、現場の全構成員を絶えず、「反省と改善」に向かわせる意識改革と
仕組みづくりであり、変化に挑戦する意気込みを育てる協働環境づくりが注目されている。

 トヨタでは、伝統的な企業風土の中で、これを実現しているが、欧米では、終身雇用の風土もなく、企業風土の違いもあり、も
っと分かり易く、どのような企業風土でも実現できる体系として、コーチングやメンタリングとして確立し、広く普及活動を進
み、従来のリーダーシップやマネジメントの基本的考え方が一変した。

 特に、1990年代半ばから、一方的なトレーニングから、ラーニングの重要性が再認識され、現場での自律や、主体性を高める
試みがなされた。このラーニングを支えるには、コーチングやメンタリングに高い効果があることが、多くの報告書で伝えられ、
この話しが急速に広がっていった。このラーニングの効果を高めるため、ヒューマン・パフォーマンスが一層重視されるようにな
り、これらが、集大成されパフォーマンス・マネジメント(PM)と呼ばれるようになった。

 日本では、PDS、PDCA等の20年前にデミングが提唱した言葉が未だにまかり通っているが、今は、PMの時代なのです。従来
手法との大きな違いは、メンバーの働き具合、上司の指導状況の両サイドから測定し、上司と部下のコミュニケーションの改善を
促す手法の集大成でもある。2006年以降のASTDでもこの流れは一層強まることは明白で、日本との競争力格差の大きな要因
になっている。

3.競合の厳しい市場では、戦略的人材開発を進める企業が、継続的成長を達成出来る!
 ASTDを視察して気づくのは、欧米の継続的成長企業は、必ず戦略的人材開発に相当力を入れているという事実をASTDの独自
調査結果として報告している。従業員教育に力を入れ、毎年2桁成長のホームデポ、局地戦での競合を細かくチェックし、直ぐに
変更する仕組みつくりと低コスト体制の確立に成功したウォルマート等、その事例は多々存在する。トレーニング誌等(2005年
6月)では、従業員教育に力を入れる企業として、IBMやマイクロソフト等のソフト関連企業を特集し、エンジニアの育成と意識
改革が不可欠だとして、従業員教育に力を入れる方針が報道された。これらの活性化には、トップが現場に数多く出向き、刺激を
与える手法とともに、現場が活性化されているかどうか、現場からの貴重な情報を引き出し、判断の材料にする仕組みづくりがあ
るかが最終的な決め手になる。この手法として、BSCの4つの視点が注目され、導入が進んでいる。この中の「プロセス」と「学
習と成長」の重要性が増大したこともあり、このヒューマン・パフォーマンス分野の測定と評価が現在大きな課題となっている。
この改善のために、50年の歴史をもつ
カークパトリックの測定手法ジャック・フィリップスの費用対効果ROIが注目さ
れ、その使用頻度が上がっている。

 日本企業の業績の良い経営者の多くは、株主総会でも前期の経営状況を誇らしげに報告するが、もし、「戦略的人材開発」に力
を入れてないと継続的な発展は見込めないことを、多くの欧米の投資家は知っている。業績の悪い経営者は、短期的なリストラを
実施することで、負のスパイラルに落ち込むが、業績の悪い企業こそ、現場の志気は大きく低下しており、職場の意識改革、活性
化が一番必要な時なのだ。これを立て直せるかどうかは、社長の一声も必要だが、それを実現する「戦略的人材開発の職場づく
り」が今求められている。

■ 2005年9月:意識改革、企業風土改革を如何に進めるか?
 皆さん、職場で意識改革や企業風土改革は、順調に進んでいますか? 今回の総選挙でも、自らを改革派と称して、地元の理解
を得て、地すべり的勝利を手にした新政治家が誕生しました。これからは、企業内でも、率先して意識改革し、企業風土改革を進
められる人材が認められることになります。

 今回は、意識改革、企業風土改革の現場リーダーを如何に育成し、改革をスムースに実現できるかを考えてみよう。

1.何故意識改革は進まないのか?
 意識改革や従来のやり方を変えようとする場合、この抵抗の背景を調べてみると、次の点が上げられます。

・変えなければならない理由/背景が理解されていない(現状把握が不十分) 
・変更することへの優先順位が低い(問題意識、危機意識が低い) 
・職場の理解が不十分で従来のやり方を変えることへの不安感と過去へのしがらみがある
 (企業風土の問題)
・新しいものを理解する能力とその実現へのスキルが十分でない 
・やり方・手法が明確になっていない
・新システムを導入したら、会社や個人にとり、どんなメリットがあるかが不明確
・導入に熱心な人へのインセンティブが不十分
・合理化でリストラされるのではないかの懸念 

 これから、理解出来るとおり、新しいやり方、手法の理解、そのスキルを研修で学んでも、本人が本気で、それに変更するかど
うかは、全くの別問題なのです。たとえ、新システム導入のメリットを理解しても、当事者が問題意識、変更の必要性を感じない
限り、本気に変えようとはしないことを意味しているのです。従い、指示命令では、問題意識、変更の必要性を感じないため、本
質的な変革にはつながらないのだ。

2.ハーバード大学、コッター教授の企業変革への8ステップ
 ハーバード大学のコッター教授は、企業変革には、次の8ステップが必要であると説いています。
(1)危機意識を高める、
(2)変革推進チームをつくる、
(3)適切 なビジョンをつくる、
(4)変革ビジョンを周知徹底する 、
(5)従業員の主体的行動を促す 、
(6)短期的な成果を実現し、その効果を示す 、
(7)成果を活かして、更なる変革を推進する 、
(8)変革を企業文化に定着させる。
 まず、社員には、危機意識、問題意識があるかどうかであり、個人では変革は難しいので、多くの人を巻き込み、将来あるべき
姿を皆で考え、変革の方向性を関係者と話をする機会を増やします。

 上司の命令としてではなく、社員が主体的に動ける職場環境をつくり、短期的な成果を見せることで、安心させ、次の変革に進
む自信を植え付けることです。

 皆さんは、この8つの改革をどこまでやっていますか? 特に、会社では、上司の指示・命令でやらせるのが普通と考えていま
せんか? 問題意識を植え付けるため、話をする機会を作っていますか? 改革の短期的な成果を多くの関係者が見れる仕組みが
ありますか?

3.企業風土改革への 3つの成功要因
 上記の中で、企業風土改革を成功に導く要因として次の3点が上げられます。
 まず、職場での協働環境の確立です。協働環境を構築するには、情報の共有、目標の共有、価値観の共有、更には、責任の共
有、成果の共有に至る5つの共有関係が基本です。これを構築するには、

(1)目標を達成するため、メンタリング・プログラムの実施計画を策定、
(2)関連部門での育成担当として、コーディネータの設定、これらを通して行動から結果へ関
 連づけるパフォーマンス意識を社内で高めため、タイミングの良い時期に意識改革研修を実施、
(3)メンタリング・プログラムの効果測定を中間時点で実施し、効果の改善に努め、プログラムの最終結果を高める。これらの
良い結果を風土改革効果に疑問をもつ多くの人に示すことで、理解を促す。この努力の積み重ねで、将来あるべき姿に近づけれ
ば、職場や社内でのコンセンサスは、急速に進みます。

■ 2005年11月:トップダウンで意識改革は出来るのか?
 皆さん、職場で意識改革をしようとして苦労していませんか? 今回は、意識改革を定着させるためのヒントを提供し、今後の
意識改革の進め方を考えます。既に職場風土として定着しているものを変える事は、そう簡単ではありませんが、まずは、社員の
意識改革が進む職場環境の整備から着手しようではありませんか?

1.トップダウンで行われた多くの意識改革、果たして定着したのか?
 トップの掛け声で、進められた意識改革プロジェクトは、多々ありますが、その多くは、果たして、現場に定着したのでしょう
か?往々にして、トップダウン型では 推進側のシナリオにそって決められた通りにやることを一方的に社員に押し付けます。なま
じ推進者は、トップのお墨付があるため、他に人にやらせるのが、仕事だと思い、相手の気持ちにお構いなく、ガンガンやるわけ
で、やらされる側は、たまらないから、つじつま合わせや嘘の報告で自己防衛してやったふりをします。

 事務局が良かれと思ってしたことが、やればやるほど、社員の気持ちは離反して行きます。強制でやらせることは、会社にとっ
て自殺行為になることがあるのです。

2.非公式の気楽にまじめな話をする会コーチングの効用
 このように考えると、社員の意識改革なくして、やらせた改革は、定着してないのが普通です。それでは、どのようにして意識
改革を引き出すのか、トヨタ自動車では、非公式な「気楽にまじめな話をする会」の効用がうたわれています。確かにこれは効果
があります。よく行われているのが、夜行われるもので、部門長、部長が「話を聞いてやるから、言いたいことを言ってみろ。」
とのタイプ。費用が会社持ちのことが多く、参加者はありますが、参加者が本音を出すかは別問題で、気を使っていることを知る
ことになり、言いたくでも遠慮することが多く、型にはまった形で通常終わります。

 2-3日の合宿形式のオフサイト・ミーティングを行うこともあります。 業務日程がきつい人は、参加が難しいので、比較的時間
をとりやすい人が中心に集まります。それなりの効果はありますが、上司が果たして、これをまともに受け取ってくれるかは別問
題です。

 最近増えているのは、コーチングやメンタリングを研修等で学んだ現場リーダーや管理職が、自分の部下のやる気を引き出す試
みが増えています。コーチングでも、詰問する形では、効果は期待できず、相手のキャリア意識を引き出し、その実現に向けた問
題意識、当事者意識の引き出しが出来ると、効果が徐々に増します。理詰めで、相手の抜けを正そうとする手法は、相手が言い訳
をするようになり、互いの溝が深まることもあります。

3.改革が本当に進むのは、改革が関係者にメリットがあることを示せる時
 多くの改革を進める時、その改革で各自にどんなメリットが期待出来るかを示せるでしょうか? 予測、観測ではなく、短期的
にキチンと効果が出たことを示すことが、最大の転機になります。多くの人は、「それが出来たら苦労しないよ」と思っていま
す。しかし、この効果をキチンと示し、メンバーに説明できるかどうかが、今後のリーダーや管理者の能力を示す大きな機会とな
ります。これが、出来る人は能力のある人、出来ない人は、並の人と見なされます。

 また、相手の支援をする気持ちで指導が出来る人は、相手に主体性を植え付け、当事者意識を植えつけることが出来ます。早い
からと言って、いつも部下に指示命令ばかりするリーダーは、責任を後で取らざるを得ない状況になり、苦しい立場に追いやられ
ます。一番知りたいのは、自分達が、現在どんな状況にあり、そのために何をどうすれば、どのような改善が期待でき、それが引
いては自分のキャリア・アップになることを知せられるかどうかにかかっています。

 これを気付かせることが出来るメンター(支援者)が近くにいますか? そのようなメンターがいたら、あなたが成功する確率
が一段と上がります。もし、適当なメンターを社内に見つけられない時には、外部のメンターを活用することも一手です。

 皆さん、職場のメンターとして活躍できれば、多くの人から尊敬と信頼を一手に集めることが出来ること請け合いです。

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